オデッセイ 感想
「オデッセイ」を観た。
火星にたった一人残され、それでも主人公であるマークは生きることを諦めなかった。それはなぜだろう? そりゃ「もうダメだ。死んだわ」と思ったこともあっただろうが、本当の本当に最後まで彼は努力して、工夫し、生きるという選択肢を選び続けた。
監督のリドリー・スコットさんには弟が居て、その弟さん(トニー・スコット)は2012年に自死されている。この作品は、その弟さんに向けたメッセージでもある、ということをどこかのサイトで見かけ、そのことがとても心に残っていて、ずっとこの映画を観てみたかったのだ。
絶望的な状況下に置かれてもなお、「生きる」という意志をこちらに突きつけてくるマークの姿は、なんだかとても心に突き刺さるものがあった。諦めてしまえば楽になれるのに、そうしない。それはなぜなんだろう。もしかしたら、彼が植物学者だということと関係しているのかもしれない。
何もないところから芽を出し、成長していく。それはまるで人間のようだ。マークはおそらく知っていた。「生きられる」ということを。本質的なそのことを。同時に、「生きたい」という自然な欲求を誰もが持っていることを。
マークはきっとそれをありのままに認めていたんだろう。
これは「希望にあふれた」映画ではない。
「生きるという意志を見つけることができる映画」だと、わたしは思う。
「君は言う”もう終わりだ””僕は死ぬ”と」
「それを受け入れるのか、闘うのか。そこが肝心だ」
「まず始めるんだ」
「問題を一つ解決したら次の問題に取り組む」
「そうして解決していけば帰れる」
「以上だ。質問は?」